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2006.01.12

なにもない


きっかけは些細な事で
例えば道端に咲いている花に目を奪われる様な、それを写真に収める様な
ごく普通のありふれた出逢い、だった。

誰かに似た声。大きな瞳で照れ笑い。
煙を吐いているように見えた背中に、青いシャツがいつもよりも深く見えた。
あの人とは違う、誰か。背伸びして知りたいのは画面の向こう。


中途半端なオシャレが雨女にお似合いで、それでも彼は笑ってた。

相合傘は初めてだね。雨を踏む。抱えた両腕に両肩が濡れてる。
寒そうな横顔が滲む。

空かないはずのお腹が空いて、ご飯の味に機嫌を伺う。
私今上手に笑えているかな、なんて。ひきつる頬は温かい。


あなたが触れているその手の持ち主は今惚けた頭で妙に現実的な事を考えているのよ。
あなたは何を、考えているの。顔色ひとつ変えずに。

包まれて何も考えられなかった事も全て全て無音のせいにして
ほんの少しだけあの人の事が心の中をよぎった事も全て全て秒針の気まぐれにして
ただ、口付け。

求めたのはほんの少しの焦りと温もり。
過去なんてもう何もかも要らない、と思った日は、雨。

求めたのはほんの少しの独占と約束。
過去こそが欲しい、と思った日も、雨。


依存し合う事の心地良さを、目覚めた午後に見る夢を。
カーテンが波打つ瞬間を。

誰もいない夜。何も聴こえない夜。
どこまで駆けて行っても二人きりでいられる気がしていた。
そんな世界を、誰かと同じ様に私もまた、望んでいた。


痩せていく私に、あなたは儚げに、微笑った。
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